いい事ばかりじゃないからさ

こんにちは。

 

どうでもいい話から入りますと、noteの方も始めました。フロンターレ以外はそっちに書くのでよろしくお願いします。

ねづみ|note

 

2019.12.7

札幌ドームにホイッスルが鳴り響くとともに、フロンターレの2019シーズン全日程が終了した。

 

試合には勝ったものの、鹿島も勝利したため4位フィニッシュ。

三連覇、そして四冠と開幕前にあれだけ強く言われた中での今シーズン。

結論から言うと自分は満足してない。

 

最終的に勝ち点差12を着けて優勝したチームにダミアンや山村等の実力者も加わり、相当な期待値であったのは間違いないだろう。

 

しかし結果を見れば、ルヴァン杯こそ制したもののACLはグループステージ敗退、リーグ戦は4位、天皇杯はラウンド16で敗退。挙句の果てには最終節で横浜相手にあれだけの醜態を晒してしまった。

散々苦しんできたカップ戦を制したことはもちろん評価に値するが、それ以外を見れば結果は散々だろう。

 

ただ、改めてシーズンを振り返るとこの結果も偶然によって引き起こされたとは言いきれないだろう。もちろんルヴァン杯を制したこともだ。

 

しかし全てが悲観的だったかといえば、それにはNoと答える。

 

それをいくつかに分けて振り返ろうと思う。

 

 

1.響かない「天才たちのメロディ」

 

昨年、一昨年とフロンターレの攻撃はとにかく魅力的だった。家長、中村、阿部、小林の4枚を中心に繰り出される多彩なフィニッシュワークは破壊力抜群だった。

 

しかし、これらの多くは彼らの能力に依存するところが小さくなかっただろう。だからこそ、彼らが1人でもかけると途端に攻撃が回らなくなったりする。そんな場面は優勝したシーズンでも度々あった。

特に中村への依存度は、あれだけ圧倒的なゴール数で優勝した2017年でさえ不在時のゴール数が2ゴールというほど、頼りきっていた。

そして彼らに加えサイドバックボランチなどのその場でのアイデアや「阿吽の呼吸」で大量のゴールを生み出してきた。

 

そんな中で今シーズン、まず右のサイドバックに入れ替えがあり、守田が開幕前に負傷。小林や車屋も昨シーズン終盤の負傷が癒えきらないままキャンプを迎えた。

さらに追い打ちをかけるかの如く、昨シーズンの主力のコンディションが全くといっていいほど上を向いてこない。

 

そんな中ではいくらスカッドの入れ替えがなかろうと、その「阿吽の呼吸」は成り立たない。

 

さらにその中に新戦力等も組み込むとなるとチームのもてるキャパシティに収まらないのは明らかだ。

 

そうこうしてるうちに序盤で完全につまづき、かなり出遅れたスタートとなってしまった。

もちろんこの時期に行われてたACLのグループステージも敗退。

 

もっとも、鬼木監督がこの手法なのはそれ以前の2シーズンでハッキリとしていた。

しかし、これが選手同士の擦り合わせに頼るような攻撃ではなく、ちゃんと大枠があってその中でフィニッシュまで持ち込めるような設計をできていたら...と考えてしまうのは極々自然なことであろう。

 

 

2.揺らぐことの無い信用

ここ2シーズン、チームを牽引してきた先程の4人。彼らへの信用は監督からも、チーム内からも絶大なものであっただろう。実際に、自分も画面やGゾーンで見てても、「彼らなら何とかしてくれるだろう」と思っていたのは事実だ。

 

ただ、そんな彼らのコンディションが一向に上がらなかった。しかし、その信頼は揺らぐことはなく、怪我や体調不良で離脱しない限り、彼らを外すという選択肢を監督は持ち合わせて無かったようだった。

 

そんなコンディションが上がらない面々だが4月の後半から挙って離脱するようになる。

 

皮肉なことに、そこでチャンスを掴んだ選手が結果を残し、7月末の広島戦まで無敗で戦い続けた。

しかし、夏場になり選手が復帰すると、彼らがスタメンにいる。明らかにコンディションが悪いのを引きずっているにもかかわらずだ。

 

そこに健全な競走はあったといえるのだろうか。

 

そして夏場には再びポイントを落とすようになり、気づけばリーグタイトルは絶望的な状態になってしまった。

 

もちろん前項で指摘したようなチーム設計をしていることも重々承知しているがここまで結果に表れてしまうと...ね?

 

 

3.目標に対するアプローチ

さあ、7月にはそれなりに厳しくなっていたリーグ三連覇への道のり。

 

ACLも敗退し、右サイドバックの選手2人は怪我なのかなんなのかわからないけど起用できる状態じゃ無い。中盤も怪我とか無免許運転とかでやばい状態。前線もまあコンディションが整わない選手たち。奈良も怪我をしてる。

 

そんな状態で夏のマーケットを迎えたのにも関わらず、宮代と鈴木と舞行龍を放出したのみ。

 

 

本職CBは谷口、ジェジエウの2人だけになった。この時点で既に山村をCBとして考えていたのだろうが、それでも3枚だけ。

本来なら車屋もそこで使えるけど、登里と車屋で両サイドバックを組まざるをえない台所事情だからそれも無理。

 

舐めてんのか。てめぇらの目標はなんなんだ。四冠つって早々に1つ落としたなら、残り3つを死ぬ気で取りに行くんじゃねえのか。

 

自分の中ではこの辺りで一気に強化部への疑念が出てきた。

 

ルヴァン杯こそ制したが、リーグ戦は相変わらず勝てず、天皇杯も神戸相手のラウンド16で落としてしまう...

 

その中でジェジエウが怪我したり、右サイドバックもこなせる守田が怪我したり、谷口が退場したり、ラジバンダリ...ほんっっっとにしんどかった。

 

直ぐに監督を変えるのが無理なら、選手を取ってくることはできなかったのだろうか。言い方は悪いが、マギーニョはレンタルだったわけだし最悪干しても損失は大きくない。というか普通に干してたし。

 

それならそこに1枚実力者を補強しても良かったのでは?

 

なぜそれはできなかったか、しなかったのか。

 

今シーズンの歯痒い結果は現場だけが原因とは言えないのではないだろうか。

 

 

4.苦しんで獲た初の王者

ここまで散々ネガティブなことばっか書いてきたが、ここからはポジティブなことにも触れていきたい。散々一発勝負の舞台に苦しんできたが、今シーズンはそのような局面をしっかり勝ち切ることが出来たことは素直に評価していいだろう。

まずは開幕前のゼロックススーパーカップ

お互いコンディションが上がりきってない中だったが、新戦力も取り込みつつ、ダミアンの1点をしっかりと守りきって勝利。仕上がってない中とはいえ、この時は今シーズンはまじで複数タイトル行けるのではと思えるぐらいには強さを感じた(後に浦和が酷かっただけなのが発覚する...)

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そして7月に行われたチェルシーとのワールドチャレンジ。

相手は開幕前で、コンディション調整の意味合いも強かっただろうが、それでもやはりUCLに何年も出てるだけのチームだ。とても強かった。そんな相手にしぶとく耐えて、後半にダミアンがヘディングを叩き込むと、その一点を守りきって勝利。選手たちにとってもきっと自信になっただろう。

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そして何よりも、気持ちいい秋晴れの中でのルヴァン杯ファイナル。

もっとも勝負強さが見られた試合かと言われればそうとは言えない。

早い時間に先制されたり、後半らすとぷれーで追いつかれたり、延長前半でビハインドかつ数的不利だったり...

とにかく苦しい試合だった。

それでもセットプレーから2点取ったり、PK戦で絶体絶命の状況から新井が2本連続でストップしたりと、タイトルへの執念を強く感じられた試合だった。

 

散々苦しんできたこのタイトルをしっかりと制した。それだけでもう十分だろう。

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執念と努力と - アサリのボンゴレ

ルヴァン杯に関してはこっちにその時の感情を書いてあるのてよろしければ。

 

5.苦しい中での奮起

怪我人が続出したり、コンディションが整わない選手が多い中でもこの順位で居られたのは、若手や昨シーズン出場機会が少なかった選手たちの奮起があったからだろう。

まず名前を挙げるなら田中だろう。

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他の中盤の選手が怪我だったり違反だったりで精彩を欠く中で、代表活動での離脱は度々あったが、唯一まともにフルシーズン稼働して苦しいチームを支え続けてくれた。その結果として、ベストヤングプレーヤーに選ばれたり、一気に東京五輪のスタメン候補に躍り出たり、ブラジル相手にミドルで2ゴール決めたり、国内組だけでの召集ではあるがA代表にも選ばれたりと、かなりの成長を見せた。今シーズンだけで積み立てた実績は数え切れないだろう。

そして新井も、ルヴァン杯名古屋戦での好パフォーマンスで一気にスタメンを奪うと、PKを2本セーブするなどしてルヴァン杯優勝に大きく貢献。リーグ戦でもそれ以降は安定したパフォーマンスを見せてくれた。

 

他にも、知念は4試合連続ゴールと定位置を掴みかけてたりしたし、齋藤も負傷を何度か繰り返してしまったりとスタメン定着とは行かなかったが去年よりも大幅にプレータイムを伸ばし、セカンドストライカーとして新たな境地を開拓した。

長谷川は要所でゴールやアシストを記録し、課題だったクロス精度も向上。下田も大島が怪我で離脱するなか、中盤の潤滑油として活躍した。

 

ただ、既に新井が千葉へ移籍することが発表されているように、このような満足のいく出場機会ではなかったが結果を残した選手たちが来季どれくらい残るのかは未知数だ。長谷川や知念には複数のJ1クラブからオファーが来ててもおかしくないだろう。

しかし、もしチームに残ってくれればこれらの選手たちが来季に向けて明るい材料になることは間違いない。個人的には、このような選手たちがスタメンを脅かして、チームにいい競走をもたらしてくれることを期待してる。

 

〜まとめ〜

やはりシーズンを振り返るとなかなか苦しくてしんどいシーズンだった。

それでもルヴァン杯の優勝、田中を筆頭に昨シーズン出番の少なかった選手の成長と、全てがダメだったシーズンとは言いきれない。

 

しっかりと今シーズンの内容を吟味した上で、来シーズン、リーグタイトルを奪還し、さらには複数タイトルを取れるよう、このオフを使ってほしいものである。

 

そして、こんなに長くてまとまりのない文章を読んでくださって本当にありがとうございましたm(_ _)m