ラスト・ダンスは突然に
2020年11月1日
きっとその日は川崎フロンターレを応援する人達に取って衝撃を与える日になったのは言うまでも無い。川崎フロンターレ所属の中村憲剛がシーズンいっぱいでの引退を発表した。川崎サポーターのみに限らず多くのチームのファンが惜しむ中での引退発表。もちろん僕もその1人だ。それでも彼の目は涙ぐむことなく、真っ直ぐと、いつもと同じように純粋なサッカー少年のような目をしていたように見えた。
僕にとっての中村憲剛。それは僕にとっての川崎フロンターレそのもの、そしてサッカーそのものといっても過言でないだろう。
事実、どんなときも等々力のド真ん中で輝く背番号14に憧れ、何度も唸らされてきた。彼のような綺麗な弧を描くフリーキックを蹴れるようにと何度も何度も練習したのも今でも覚えてる。
友達と一緒にサッカーを初めて、サッカーが好きだからではなく友達と会うために練習に行くような子どもだった僕を今のようなサッカー好きにさせたのは他でもない、中村憲剛だ。
ピッチでは1番歳上のはずなのに、キャプテンとして誰よりも重いものを背負ってるはずなのに、誰よりも楽しそうにボールを蹴る姿を見て、「サッカーって真剣にやったらこんなに楽しいんだ!」と思った。少しでも彼のようになりたいと思い、部活が終わったあとも公園でボールを蹴っていた頃もあった。
僕がフロンターレを見るようになってからはほぼ常に彼の左腕に巻かれていたキャプテンマーク。いつしか僕にとって中村憲剛=川崎フロンターレとなっていた。
MVPを受賞したあの日、僕はまるで自分の事のように喜んでいたし、タイトルに見放され続けてきた彼がようやく認められたような気がしてとても誇らしかった。
初めてのタイトルを取ったあの日。1番に浮かんだのは「中村憲剛とタイトルを取れてよかった」ということ。タイトルを添えてあげられなかった過去の戦士たちを考えると、何よりもこれが1番だった。
それからも毎年のようにスケールアップして、常に「新しい中村憲剛」を、「史上最高の中村憲剛」を見せ続けてくれた。
いつだって等々力にいけば彼の極上のプレーを見ることができる。それ自体が日常であり、日々の楽しみの1つであった。
そしてまだ記憶に新しいであろう、前十字靭帯断裂の大怪我。言い換えるならば、"日常"が失われた瞬間であった。もちろんその時に頭には年齢のことがよぎったが、僕の知ってる中村憲剛はこんなことで終わる人間じゃないだろうと、きっと更にスケールアップして戻ってくるだろうと信じていた。
そして8月29日の清水エスパルス戦。ベンチには中村憲剛の名前。それは"日常"が少し取り戻された瞬間だった。この御時世なのでサポーターの歌声の代わりにスタジアムに流れる彼のチャント。そして10ヶ月ぶりに聞いたスタジアムDJによる「ナカムラ ケンゴ」のアナウンス。そして自ら復帰を祝うゴール。そのひとつひとつに感動し、涙し、声には出せなかったが心の中で何度も叫んだ。
それからはプレータイムを伸ばしつつも、信じていた通り、更にプレイヤーとして成長した姿を見せてくれた。彼がピッチに立つと僕の視線は自然と背番号14を追っていたのが分かった。
そして10月31日のFC東京との試合では自らの誕生日を祝う決勝点を決めた。この試合でピッチを支配していたのは間違いなく中村憲剛だ。
その姿を見ながら、きっとこれからも、いつまでもずっとずっと彼のプレーを見ていられるんだろうなと、勝手に思いこんでいた。
そんな翌日に彼から発せられた「引退」の文字
正直に言って、僕はその言葉を1番聞きたくなかった。いや、それを聞く心の準備ができていなかった。それは前日のプレーぶりを見たからこそなのかはもうわからない。
その後に続いた彼の言葉はハッキリ言って全く覚えていない。その事実を受け入れることに必死だったのだろう。
ビデオと切り替わる一瞬の間に、全てが降ってきたような気がした。
そこからは今年1番というぐらい泣いただろう。
先程も述べたように僕にとって彼は川崎フロンターレそのものといっていいぐらいの存在だった。いや、無意識の間にそれくらいの存在になっていたのだ。
等々力に足を運ぶ頻度が増えて川崎フロンターレにのめり込んでいった頃から今もなお川崎でプレーをする唯一の選手だった。もちろんそんな彼がチームを去るのは寂しい。
彼が楽しそうにボールを蹴る姿を見るのが楽しみだった。そんな姿をシーズンが終わるともう見れないのは悲しいし、どうしようも無い気持ちだった。
色んな感情が混ざりながら、何度も泣いた。
「等々力には神様がいる」
これは彼が何かある度に言っていた印象がある。僕から言わせてもらえば等々力の主はあなただ。
前日の試合での素晴らしいプレー。正しく等々力の主人だった。
彼は引退を発表する10数時間前ですら僕たちのヒーローでありスターだった。彼の醜い姿を僕たちが見る前に、彼はスターとして僕たちの前を去ることを選んだ。
もしかしたらこれはこれで良かったのかもしれない。僕だって彼がボロボロになりながらピッチで戦う姿は見たくなかった。
なにより彼自身が決めたことだ。所詮サポーターの1人でしかない僕に引き止めることなどできない。
もしかしたら今でもまだ強がってるところはあるかもしれないけれど、会見から少し時間が経ち、自分なりに気持ちを整理できたような気がする。
ただ、あの瞬間に彼のサッカー選手としての時間が終わったわけではない。リーグと天皇杯の結果次第ではあと2ヶ月の間彼のプレーを見れる猶予がある。
その幸せを噛み締めて、また1つでも多くの歓喜の瞬間をもたらしてくれることを、彼のラスト・ダンスを僕は今から楽しみにしようと思う。
揃った三拍子
こんばんは。こんにちは。おはようございます。2日ぶりですね。
連日のように試合があり、ついこないだまで「サッカーを見せろ!」となってたのに、今ではDAZNで見れる三つのビッグリーグを含めたらほぼ毎日のようにサッカーが見られるという過密っぷり。とはいえサッカー狂の方々に幸せな日々でしょうし、こうやってサッカーが普通に見れる日々に感謝したいところです。
今回はPCで書いているので使える機能は普段より多いので多分使います。
また、知人の川崎人さんからオススメされた
TACTICALista beta | Football tactics board
というやつも今回は使わせていただきます。
今節の両者のスタメンは
前節と同様の4-3-3で挑んだ川崎に対して、東京は安部柊斗を中央に置いた4-2-3-1に変更。正直、東慶悟はアダイウトンを差し置いてまでウインガーで使うほどか?とは思う。
10番キャプテンだから出てるだけなんじゃ
新たなベースの三拍子
今節の東京の4-3-3対策はとてもシンプルなものだった。
相手が体制を整えてからのビルドアップに対して、4-2-3-1の布陣を敷いて3の真ん中の選手でアンカーを、2センターで両インサイドを見て、ビルドアップの出口を全て塞ごうという算段だった。
こうすれば必然的にCBは前にボールを蹴らざるを得ない。いくらダミアンが空中に強いとはいえどうしてもラフな展開になるのは避けられない。そこをなんとか回収してディエゴ、レアンドロでカウンターにつなげようという狙いだっただろうか。それなら安部は絶対センターでの起用のほうがいいと思うが…
そして立ち上がりの川崎は見事にこの形にはまってしまう。14分のシーンのように田中がCB間に落ちて、脇坂が高萩の背後でジェジエウから受けたシーンなどもあったが再現性はそんなに高くなかった。
しかしそんな中でスローインから先制すると、東京もロスト直後のプレスが一気に強くなる。しかしそこは流石川崎といったところ。素早いパス交換からプレスの裏をついて両ウイングに展開していく。
これこそが昨季から進化したところだろう。これまでの川崎は低い位置で奪った後はセンターハーフ、サイドハーフ、サイドバックのところで細かいパスでボールを保持して自分たちも態勢を整えてからというのがあったが、それは同時に相手に守備ブロックを組む時間を与えることになる。しかしそこをすばやく両ウイングにつなげることで前への勢いを生み、素早く押し込み、相手がついてきたらそこでペースダウンして人数をかけて崩しに行く、というのが今季の川崎のベースになってくるだろう。この試合も幾度となくそういったシーンが見られた。2点目のシーンに繋がったところがまさにそうで、ジェジエウから長谷川につなぐと一気にファイナルサードまで到達。そこから前後左右に揺さぶってニアゾーンを攻略するというのは、昨シーズンまでも散々やってきたことだ。この素早い展開がこのチームの武器をより生かすことになるだろう。
パターン化は1つじゃない
今シーズン、湘南から加入した山根が定着した右サイド。主に家長や脇坂とユニットを組んでいくことになるだろうこのエリアは間違いなく今シーズンの注目ポイントだ。
まずは今日の2点目のシーンをピックアップする。
ここから山根がアルトゥール・シルバと高萩を交わして中央に折り返し、ダミアンのゴールが生まれた。
このシーンで大事なのは脇坂と家長のポジショニングだろう。家長が開いてドリブルのコースを確保したこと、そして脇坂が少し引いて小川を釘付けにしたところだ。
こうしてあげることで小川はアルトゥール・シルバのところにカバーに行けず、高萩も家長を警戒するのでどうしても一歩遅れてしまう。
このシーン以外にも、前節の鹿島戦を含めてこのように空けたスペースに山根がそのまま斜めに持ち運ぶシーンは何度も見られた
次に4点目のシーンにみられた形だ
さきほどあげた3人に加えて田中もかかわったこのシーン。一見脇坂は関与していないように見えるが、このポジションをとることでアルトゥール・シルバは家長がギャップに入った時点では距離を詰められず、後手の対応を強いられている。
もちろんこの位置で家長に前を向かせたら一気にゴールまで迫られるので3人で囲いに行くが、ワンタッチでシンプルに落とすと大外を駆け上がる山根とボールを受けた田中は完全にノープレッシャーだ。小川が出たことであいたスペースに出た優しいボールはワンタッチで中央に折り返されなんやかんやで最後は長谷川がゴール。
家長と脇坂のバイタルエリアでの怖さ、そして山根のランニングのセンスが色濃く出たシーンだろう。そこのスペースにワンタッチで折り返せるボールをを出した田中も素晴らしかった。
こちらも家長が内側のポジショニングを取り、空いた大外で山根が高い位置で受けるという形は度々見られたものだ。
総評
完全に東京を圧倒した試合でしたね。東京側も想定より早い失点でプランが崩れた可能性もあるが、それにしてもという感じでしょうか。こちらとしてはやりたいことをほとんどやりたいようにやらせてもらった試合です。もっとも改善の余地があるところはいくつかあったと思いますが、それは今後も見られたら取り上げようと思います。
あと、今日の試合でもゴールに繋がったんですがいい位置でのスローインも貴重なセットプレーということを胸に刻みましょう。
それでは👋
難局物語
どうもおはこんばんにちは
お久しぶりですね。
といっても2019年はまじで3.4回しか更新してないんでそれよかよっぽどマシなのでね。前回更新6月だから偉い方。
ちなみに今回の書く前の時点で30投稿あるのでほとんど2018年に書いたものになります。
そんな前置きはいいとしてですね、6月27日のJ2再開に続いて今月の4日、ついにJ1が再開しましたね。きっとこのブログは川崎ファンの人が多く読むとは思いますが、ようやく日常が帰ってきたという感じでしょうか。
自分はヨーロッパサッカーもぼちぼち見てるんで一足先にサッカーのある日常に戻ってはいたのですが、それでもやはりサッカーを楽しめることに感謝したいですね。いつかこの難局を乗り越えてスタジアムで色々な人が集まれる日々が戻ってくるのを待ちましょう。
それでは試合の方を振り返って行きましょうか。再開初戦の相手は難敵、鹿島アントラーズ。相性こそいいとはいえここ最近点差着くまではめちゃくちゃしんどい展開を引っ張ってなんか取れちゃったって感じの試合が多い印象です。
まずはスタメンから。
川崎は
長谷川 ダミアン 家長
大島 田中 脇坂
登里 谷口 ジェジエウ 山根
チョン・ソンリョン
前説の鳥栖戦と全く同じメンバーでのスタート。小林の怪我などでベンチメンバーは多少の入れ替えはあったが、恐らくこの11人が鬼木さんのファーストチョイスということで間違いないだろう。
対する鹿島のスタメンは
エヴェラウド
アラーノ
和泉 レオ・シルバ 三竿 土居
永戸 町田 犬飼 内田
クォン・スンテ
の4-4-1-1のような形だろうか。
出場機会ほしいから移籍した(と勝手に僕が思いこんでいる)奈○○樹さんどっこ〜!?
試合自体は開始1分にショートコーナーからの家長のクロスに谷口が合わせて先制すると、30分には再び家長のクロスに今度は長谷川がコントロールした後に左足を振り抜き2-0。直後のコーナーキックでOGにより失点。後半、染野などを入れて攻勢に出る鹿島に対して完全に後手に回ってしまうものの、ひたすらに耐えて耐えて、あわや失点というピンチをくぐり抜けながら何とか勝利。やはりチョンソンリョンは神だったといえるだろう。MOMは2アシストの家長で文句ナシだろう。ダミアンはOGは許すからそれ以外を本気で反省してほしい。
弱点を武器に
「川崎は外に逃がせば怖くない」
かつて内田篤人に言われた言葉だっただろうか。たしか内田だったと思う。あんまり覚えてはいないが。
そんな言われ方をした川崎のサイドアタックだが、その川崎は今では「過去」の川崎となる。
新スタイル、新システムで挑んだこの試合ではむしろそのサイドから幾度となく相手ゴールまで迫った。その中でも30分のゴールシーンをピックアップしよう。
ご存知の通りこの後ボールは家長に渡り、ファーサイドにいた長谷川へのクロスがゴールへと繋がった。
この試合多く見られた形だが、家長が中から外へと左ハーフや左バックを引っ張ることで空いたスペースに山根が侵入し、チャンスに繋がるという場面が多く見られた。また、家長が内側にポジションを取ることで相手の左サイドを絞らせて、空いたところで山根がどフリーで受ける、なんて形のビルドアップも幾度となく見られた。もっとも、そこからの盤面攻略にはまだまだ改善の余地はあるだろうが、ここまで両サイドをワイドに使った攻撃というのは去年までのフロンターレには見られなかったものだった。
左サイドでも登里が内側に侵入して長谷川をフリーにさせ、大島などを絡めつつそこからのドリブルやニアゾーン攻略というトライは何度も見られた。右サイドに比べてこちらは昨シーズン以前からいる選手たちなのでユニットとしての練度の差であるだろう。
もっとも、右サイドのユニットではどちらもハーフスペースへの侵入やチャンネルランが得意な脇坂と山根がどうしても被ってしまったりというのはあったが、時間を重ねればこちらも整備されるはずだ。
翼は誰が折る?
お次は鹿島のビルドアップにも触れようと思う。
鹿島のこの日の狙いは一貫してサイドバックを引っ張ることだったのは明確だろう。事実、開始からそう時間も経たない間に家長が相手のボランチがフリーで受けるのを嫌って噛みにいったところを、高い位置を取っていたLSBに見事なまでにボールが繋がりピンチを招いている。
それに対して前半は4-4-2のブロックを敷いて守りきるが、後半になると鹿島も手を打ってくる。それまでは内側に絞り気味だった両サイドが比較的広い位置を取るようになる。するとこちらのサイドバックはそこを意識せざるをえなくなるだろう。そこでウイングの背後で鹿島のサイドバックがボールを受けることでサイドで数的優位を簡単に作られてしまい、自由にクロスをあげさせることも多かっただろう。染野のシュートがバーを叩いたシーンがまさにそれだろう。失点をせずに済んだものの、結局45分間ここをどう見るのかが定まらず、後手を踏みながらの試合展開となった。
総括
正直に言うと、この試合は全体的に鹿島の「詰めの甘さ」で勝ち点を拾えたといっても過言では無いだろう。ショートコーナーに対するマークのズレだったり、誰が行くか曖昧になったところから得点に繋がっている。相手のビルドアップもクォンスンテだったから繋がらなかったという場面が非常に多かった。今節は鹿島にラスト30mでの「運」 がなかったこともあるだろう。川崎としてもまだまだプレスの基準やどう攻略するか、それこそ最初にあげた右の脇坂まで絡めたユニットの精度もそうだ。川崎としてもまだまだ甘いところはある。選手個々のコンディションもぱっとしないところも多かった。過密日程でなかなかチーム全体として調整ってのは難しいかもしれないが、東京戦、柏戦とそれなりにタフな連戦となるので、そこに向けてしっかりと準備をしてもらいたいところだ。
妄想狂奏曲~2020夏~
こんにちは、こんばんは、おはようございます。
J1リーグの再開まであと1ヶ月を切って、皆さんどうお過ごしでしょうか?
自分はこれといって変化はないんですけど、まあ緊急事態宣言が出てた頃よりはだいぶ外に出るようになりました。
長い長い中断を挟んで、まもなく再開されるJリーグ。十分に想定されることではありますが、鬼過密日程になることが推測されます。そこで大事になるのが夏のオペレーション。海外移籍や2種登録、若手のレンタルなどなど考えられますが、勝手に妄想していきます。そういうのが苦手な人は今すぐブラウザバックして、どうぞ
現状把握
まずは現状のスカッドから。ルヴァンカップ清水戦とリーグ鳥栖戦での起用、適性とかを自分なりに考えると恐らくこのような序列と推測
宮代の右ウイング起用はルヴァン限定かもしれないけども一応そこにも入れておいた。齋藤は両サイドどちらでも求められるタスクはこなせるだろうし、車屋はCBでもSBでもハイレベルなプレーができる。山村は本職(?)である中盤での起用も想定。中村に関しては全く想定できないので入れなかったが恐らくインサイドのスーパーサブ的な役割だろうか。昨シーズンまでで数的不利時に見られたアンカー起用も可能性はあるだろう。先日、2021シーズン加入が内定した橘田は2種登録をする方向だそうで、括弧書きではあるが加えておく。
オプションとして昨シーズンまでの4-2-3-1も持っているだろうが今回は割愛したい。
個人的には山村をどのように扱うかは気になるところではある。正直、今季のラインの高さを考えると山村の足では最終ラインの裏のスペースをカバーしきれるとも思えない。最もGKに機動力のある選手を置けるなら話は違うが、残念ながら我が軍の守護神はそうでは無い。そうなるとジェジエウ欠場時は現状では車屋-谷口で組むのがベターだろうか。そうなるとアンカーでの起用が考えられる。今年も谷口には労働基準法を無視してもらう必要がありそうだ。
A契約枠に関しては、自分の解釈が間違ってなければ背番号順に
鄭、ジェジエウ、谷口、守田、車屋、ダミアン、小林、山根、中村、長谷川、マテウス、齋藤、下田、藤嶋、丹野、旗手、山村、家長
の18人とだいぶ余裕がある。
https://www.jfa.jp/documents/pdf/basic/br20.pdf
売りオペ
便宜上「売る」と書いたが、実際我が軍がそんな悠長に選手売ってる余裕を持っているかというとそんなことは全くない。大島、登里のシーズン途中の負傷離脱(これは毎年お約束)、過密日程による疲労も考慮しないといけない。また、2試合の傾向からして恐らく前線の体力消耗は相当だ。そうなると前線もターンオーバーを敷く上でこれだけの枚数が必須になるだろう。
その中で放出があるとすればまずは田中の海外移籍だろうか。昨シーズンの活躍を考えるとエールディヴィジ辺りから声がかかっていてもなんらおかしくないだろう。兼ねてから海外志望を口にしているので、それなりのオファーがあれば移籍する可能性は高いと見る。
橘田の加入で心配される原田の進退だが、少なくとも今夏の放出はないと考えている。高卒選手なのでプロ入り3年間まで過ごしてくれればHG選手になれるし、何より橘田も今年1年は大学サッカーの活動もある。2種登録したとしても実質的には戦力にカウントしない方がいいだろう。そうなると原田を放出してる余裕なんぞ一切ない。
むしろイサカのレンタル放出の方が可能性は高いとみている。同期である三笘、旗手に比べてかなり後手を踏んでいる印象で、能力、立場もそれなりに差があるだろう。そう考えるとJ2にレンタル移籍をして出場機会を積ませるというのも考えられる。なによりJ2はJ1以上の過密日程が想定されるため、そこからの引き抜きは難しいのでは無いだろうか。
スカッド拡張
さて、今度は補強の話に入る。まずは実質的な補強として中村の復帰がある。とはいえ彼も39歳。これまで以上に走力が求められるだろう今シーズン、やはりスーパーサブ的な起用になるだろう。そうなるとインサイドの枚数は十分だろう。田中が抜けたアンカーは守田と、前述の理由から山村で回すと推測。そうなると補強ポイントは「機動力のある右CBのバックアップ」となるだろう。谷口も決して遅いわけではないが、やはりジェジエウほどのカバー範囲は持っていない。もちろんジェジエウが異次元だというのもあるが、そこまでとは言わずともそれなりに速さのあるらCBの補強は必須だろう。登里の怪我の可能性も考えると車屋を常にCBで使えるとも限らないので尚更だ。
個人的にここには広島の井林章を推したい。
最初は高さがありカバーリングができる選手かつ、J1でもやれそうな選手ということで清水の立田悠悟と柏の大南拓磨を考えたが、それぞれユース出身とこないだの冬の加入ということで獲得まで行ける可能性は低いだろうと判断。
先程あげた3つの条件の中で削るなら高さだろうと考え、また、加入後一年以上経過、出場機会の少なさ、ビルドアップ能力等を考慮した結果だ。
179cmとCBとしてはかなり小柄だが、特別に空中戦が弱い訳ではなく、機動力は高いわけではないが、ポジショニングが上手いためカバーリングも問題ないだろう。最悪裏に蹴られてもボールが落ちる前にヘディングで弾いてもらいたい。ロティーナが率いるヴェルディでプレーしていたこともあってビルドアップも問題ないだろう。現所属の広島では野上、荒木の後塵を拝する形になっている。正直そこで腐らせるには勿体ない選手だと思う。何よりヴェルディ時代に畠中、平の尻拭いを散々してた選手だ。全く問題ないだろう。谷口が欠場時にはDFリーダーを任せることもできる選手というのも大きい。
まとめ
ここまでの話をまとめるとスカッドは以下のようになるだろう。
前線のダブついてる感じはあるが恐らくこの枚数でそのまま行くだろう。とくにウイング陣はそれぞれ特徴が違うのでこれだけ抱えていてもなんら問題は無いと考える。
上にあげた通り田中が移籍、井林を獲得できた場合を想定してる。GKに機動力のある選手を、とも思ったが現状で4枚いることを考えればその可能性は無いだろう。
また、井林の加入により山村のCB起用の可能性は除外した。ただ、井林が加入したところで恐らくは昨年までと同様に、大きな欠点の無い谷口を中心にCB陣は回していくだろう。正直谷口はそれぐらいの存在だ。
怪我から復帰をする中村は左のインサイドに置いてみた。右でも良かったが、相馬政権下、風間政権下では左のアタッカーでプレーすることも度々見られたため、左のバックアップが下田しかいないことも含めてこちらにした。毎年「1番上手い」を更新し続けるレジェンドのさらなる進化に期待したい。
何故か毎年野戦病院化する我が軍だが、これだけの枚数が揃っていれば恐らくは大丈夫だろう。いや、大丈夫と信じたい。
この上でキーマンになるのはやはり両ウイングだろう。一応長谷川、家長がベースと想定してはいるが、どちらともバックアップにも実力者を抱えている。とくに右は家長も満足というわけではなく、誰がスタメンになってもおかしくないだろう。両ウイングがどれだけ前を向いて相手のSBに仕掛けられるか、そしてそこを制することができるかに左右されるだろう。
無論、新しいことに取り組んでいる1年だ。全てが上手くいくとは一切思っていない。ただ、Covid-19の影響で今年は降格無しとなるため、来季に向けての基盤を作りつつ、この大変な状況に対してクラブ名の由来でもある最前線で戦う、というのを結果で示してほしいところだ。
fin.
いい事ばかりじゃないからさ
こんにちは。
どうでもいい話から入りますと、noteの方も始めました。フロンターレ以外はそっちに書くのでよろしくお願いします。
2019.12.7
札幌ドームにホイッスルが鳴り響くとともに、フロンターレの2019シーズン全日程が終了した。
試合には勝ったものの、鹿島も勝利したため4位フィニッシュ。
三連覇、そして四冠と開幕前にあれだけ強く言われた中での今シーズン。
結論から言うと自分は満足してない。
最終的に勝ち点差12を着けて優勝したチームにダミアンや山村等の実力者も加わり、相当な期待値であったのは間違いないだろう。
しかし結果を見れば、ルヴァン杯こそ制したもののACLはグループステージ敗退、リーグ戦は4位、天皇杯はラウンド16で敗退。挙句の果てには最終節で横浜相手にあれだけの醜態を晒してしまった。
散々苦しんできたカップ戦を制したことはもちろん評価に値するが、それ以外を見れば結果は散々だろう。
ただ、改めてシーズンを振り返るとこの結果も偶然によって引き起こされたとは言いきれないだろう。もちろんルヴァン杯を制したこともだ。
しかし全てが悲観的だったかといえば、それにはNoと答える。
それをいくつかに分けて振り返ろうと思う。
1.響かない「天才たちのメロディ」
昨年、一昨年とフロンターレの攻撃はとにかく魅力的だった。家長、中村、阿部、小林の4枚を中心に繰り出される多彩なフィニッシュワークは破壊力抜群だった。
しかし、これらの多くは彼らの能力に依存するところが小さくなかっただろう。だからこそ、彼らが1人でもかけると途端に攻撃が回らなくなったりする。そんな場面は優勝したシーズンでも度々あった。
特に中村への依存度は、あれだけ圧倒的なゴール数で優勝した2017年でさえ不在時のゴール数が2ゴールというほど、頼りきっていた。
そして彼らに加えサイドバック、ボランチなどのその場でのアイデアや「阿吽の呼吸」で大量のゴールを生み出してきた。
そんな中で今シーズン、まず右のサイドバックに入れ替えがあり、守田が開幕前に負傷。小林や車屋も昨シーズン終盤の負傷が癒えきらないままキャンプを迎えた。
さらに追い打ちをかけるかの如く、昨シーズンの主力のコンディションが全くといっていいほど上を向いてこない。
そんな中ではいくらスカッドの入れ替えがなかろうと、その「阿吽の呼吸」は成り立たない。
さらにその中に新戦力等も組み込むとなるとチームのもてるキャパシティに収まらないのは明らかだ。
そうこうしてるうちに序盤で完全につまづき、かなり出遅れたスタートとなってしまった。
もちろんこの時期に行われてたACLのグループステージも敗退。
もっとも、鬼木監督がこの手法なのはそれ以前の2シーズンでハッキリとしていた。
しかし、これが選手同士の擦り合わせに頼るような攻撃ではなく、ちゃんと大枠があってその中でフィニッシュまで持ち込めるような設計をできていたら...と考えてしまうのは極々自然なことであろう。
2.揺らぐことの無い信用
ここ2シーズン、チームを牽引してきた先程の4人。彼らへの信用は監督からも、チーム内からも絶大なものであっただろう。実際に、自分も画面やGゾーンで見てても、「彼らなら何とかしてくれるだろう」と思っていたのは事実だ。
ただ、そんな彼らのコンディションが一向に上がらなかった。しかし、その信頼は揺らぐことはなく、怪我や体調不良で離脱しない限り、彼らを外すという選択肢を監督は持ち合わせて無かったようだった。
そんなコンディションが上がらない面々だが4月の後半から挙って離脱するようになる。
皮肉なことに、そこでチャンスを掴んだ選手が結果を残し、7月末の広島戦まで無敗で戦い続けた。
しかし、夏場になり選手が復帰すると、彼らがスタメンにいる。明らかにコンディションが悪いのを引きずっているにもかかわらずだ。
そこに健全な競走はあったといえるのだろうか。
そして夏場には再びポイントを落とすようになり、気づけばリーグタイトルは絶望的な状態になってしまった。
もちろん前項で指摘したようなチーム設計をしていることも重々承知しているがここまで結果に表れてしまうと...ね?
3.目標に対するアプローチ
さあ、7月にはそれなりに厳しくなっていたリーグ三連覇への道のり。
ACLも敗退し、右サイドバックの選手2人は怪我なのかなんなのかわからないけど起用できる状態じゃ無い。中盤も怪我とか無免許運転とかでやばい状態。前線もまあコンディションが整わない選手たち。奈良も怪我をしてる。
そんな状態で夏のマーケットを迎えたのにも関わらず、宮代と鈴木と舞行龍を放出したのみ。
本職CBは谷口、ジェジエウの2人だけになった。この時点で既に山村をCBとして考えていたのだろうが、それでも3枚だけ。
本来なら車屋もそこで使えるけど、登里と車屋で両サイドバックを組まざるをえない台所事情だからそれも無理。
舐めてんのか。てめぇらの目標はなんなんだ。四冠つって早々に1つ落としたなら、残り3つを死ぬ気で取りに行くんじゃねえのか。
自分の中ではこの辺りで一気に強化部への疑念が出てきた。
ルヴァン杯こそ制したが、リーグ戦は相変わらず勝てず、天皇杯も神戸相手のラウンド16で落としてしまう...
その中でジェジエウが怪我したり、右サイドバックもこなせる守田が怪我したり、谷口が退場したり、ラジバンダリ...ほんっっっとにしんどかった。
直ぐに監督を変えるのが無理なら、選手を取ってくることはできなかったのだろうか。言い方は悪いが、マギーニョはレンタルだったわけだし最悪干しても損失は大きくない。というか普通に干してたし。
それならそこに1枚実力者を補強しても良かったのでは?
なぜそれはできなかったか、しなかったのか。
今シーズンの歯痒い結果は現場だけが原因とは言えないのではないだろうか。
4.苦しんで獲た初の王者
ここまで散々ネガティブなことばっか書いてきたが、ここからはポジティブなことにも触れていきたい。散々一発勝負の舞台に苦しんできたが、今シーズンはそのような局面をしっかり勝ち切ることが出来たことは素直に評価していいだろう。
まずは開幕前のゼロックススーパーカップ。
お互いコンディションが上がりきってない中だったが、新戦力も取り込みつつ、ダミアンの1点をしっかりと守りきって勝利。仕上がってない中とはいえ、この時は今シーズンはまじで複数タイトル行けるのではと思えるぐらいには強さを感じた(後に浦和が酷かっただけなのが発覚する...)
そして7月に行われたチェルシーとのワールドチャレンジ。
相手は開幕前で、コンディション調整の意味合いも強かっただろうが、それでもやはりUCLに何年も出てるだけのチームだ。とても強かった。そんな相手にしぶとく耐えて、後半にダミアンがヘディングを叩き込むと、その一点を守りきって勝利。選手たちにとってもきっと自信になっただろう。
そして何よりも、気持ちいい秋晴れの中でのルヴァン杯ファイナル。
もっとも勝負強さが見られた試合かと言われればそうとは言えない。
早い時間に先制されたり、後半らすとぷれーで追いつかれたり、延長前半でビハインドかつ数的不利だったり...
とにかく苦しい試合だった。
それでもセットプレーから2点取ったり、PK戦で絶体絶命の状況から新井が2本連続でストップしたりと、タイトルへの執念を強く感じられた試合だった。
散々苦しんできたこのタイトルをしっかりと制した。それだけでもう十分だろう。
ルヴァン杯に関してはこっちにその時の感情を書いてあるのてよろしければ。
5.苦しい中での奮起
怪我人が続出したり、コンディションが整わない選手が多い中でもこの順位で居られたのは、若手や昨シーズン出場機会が少なかった選手たちの奮起があったからだろう。
まず名前を挙げるなら田中だろう。
他の中盤の選手が怪我だったり違反だったりで精彩を欠く中で、代表活動での離脱は度々あったが、唯一まともにフルシーズン稼働して苦しいチームを支え続けてくれた。その結果として、ベストヤングプレーヤーに選ばれたり、一気に東京五輪のスタメン候補に躍り出たり、ブラジル相手にミドルで2ゴール決めたり、国内組だけでの召集ではあるがA代表にも選ばれたりと、かなりの成長を見せた。今シーズンだけで積み立てた実績は数え切れないだろう。
そして新井も、ルヴァン杯名古屋戦での好パフォーマンスで一気にスタメンを奪うと、PKを2本セーブするなどしてルヴァン杯優勝に大きく貢献。リーグ戦でもそれ以降は安定したパフォーマンスを見せてくれた。
他にも、知念は4試合連続ゴールと定位置を掴みかけてたりしたし、齋藤も負傷を何度か繰り返してしまったりとスタメン定着とは行かなかったが去年よりも大幅にプレータイムを伸ばし、セカンドストライカーとして新たな境地を開拓した。
長谷川は要所でゴールやアシストを記録し、課題だったクロス精度も向上。下田も大島が怪我で離脱するなか、中盤の潤滑油として活躍した。
ただ、既に新井が千葉へ移籍することが発表されているように、このような満足のいく出場機会ではなかったが結果を残した選手たちが来季どれくらい残るのかは未知数だ。長谷川や知念には複数のJ1クラブからオファーが来ててもおかしくないだろう。
しかし、もしチームに残ってくれればこれらの選手たちが来季に向けて明るい材料になることは間違いない。個人的には、このような選手たちがスタメンを脅かして、チームにいい競走をもたらしてくれることを期待してる。
〜まとめ〜
やはりシーズンを振り返るとなかなか苦しくてしんどいシーズンだった。
それでもルヴァン杯の優勝、田中を筆頭に昨シーズン出番の少なかった選手の成長と、全てがダメだったシーズンとは言いきれない。
しっかりと今シーズンの内容を吟味した上で、来シーズン、リーグタイトルを奪還し、さらには複数タイトルを取れるよう、このオフを使ってほしいものである。
そして、こんなに長くてまとまりのない文章を読んでくださって本当にありがとうございましたm(_ _)m
それでも"ヤツ"は裏切らない
どうもおはこんばんちょ。
僕です。
8日間で3ゲーム。ホームの広島戦からはじまり、それぞれ中2日と3日で浦和、鹿島とどちらも関東(鹿島が関東とは言ってない)とはいえタフなアウェーでの連戦でしたね。3試合全部行ったフロサポの方、ほんとにお疲れ様でした。
僕は浦和戦の日に間違ってバイトを入れてしまいました。無能ですね。
そんなわけで鹿島に行ってきました。一年ぶりの国外遠征でしたけどもまあしんどい。
朝も比較的ゆっくりだったし土曜だから椅子も座れたしで、何か特別しんどいことがあるかって言われたらそうでもないんだけど、とりあえずしんどい。
遠すぎ。
鹿島スタが川崎まで来い。
そんなわけで電車を乗り継いで開門に少し遅れてスタジアムまで着いたんだけど、まあ寒いこと寒いこと。
長袖T、パーカー、ジージャンと重ね着してるのに日陰に入るとめちゃくちゃ寒い。
ただそんな中だからこそなのか知らんけど、やはりモツ煮だけは味方だった。生憎写真を撮り忘れてしまったけど、アレはぜひとも日本に持ち帰るべきだ。
え?鹿島は日本だって?
そんなの知らないなぁ
まあそんなこんなで一緒に見ている人たちと色々密輸しつつ談笑してたら
いや、ピクニックじゃないんだから。
でもめちゃくちゃ美味かったんだからしょうがないじゃない。
選手アップの時間が近づくころにはさすがに席に行ったんですけども
なんだこれは!!!
見やすい!
どっかのTo Do Rock in stadium とは大違いだ!
というよりもこの書き方するとすごいオシャンに見えるな。スタンドはメイン以外クソだけど
そんなこんなでいざ試合へ
苦悩の圧
連勝で迎えたフロンターレ、スタートは
小林
阿部 脇坂 家長
大島 田中
車屋 谷口 山村 守田
新井
の4-2-3-1
スタートこそセーフティにボールを蹴り、相手に拾われることが多かったけども、田中が参加する最終ラインでの数的優位を活かしてボールを持ち出す。
ただ、鹿島もとてもコンパクトに4-4-2のラインを引いており、中盤で良い形でボールを持てない。なにより中盤のレオシルバと永木がヤベェ。なんだよあいつら。
家長がそこに顔を出すようになるとだいぶ中盤も落ち着くけどそれでもなかなかうまくいかない。それに対してさらに狭めてくる鹿島。といった図が続くと、今度は山村や谷口から、高い位置を取った両サイドバックにフィードが出る。浦和戦でも見られた形だ。
鬼木さんが最初からこれをやろうとしてたのかはわからない。ただ、ここからいい形になりそうな雰囲気だけはあった。
ボールが入るとパス交換からハーフスペースの深い位置を狙うが鹿島の対応も早くなかなか攻めきれない。
ただ、ロストした後が早いのが川崎。
左サイドでのロストを大島がすぐさま回収すると小林→家長とつないでシュート。
これはブロックされるがチャンスを感じさせた。
その後はビルドアップでのミスからシュートまで持ち込まれたりと、最後の10分間が30分ぐらいに思えるようなしんどい展開で前半終了。
まあ中盤がめちゃくちゃ窒息してた。それに家長がサポート入れば前のバランスを取るために小林や阿部もズレるから攻撃するのにどうしても人数が足りない。もちろん連戦の疲労もあるんだろうけど、糸口が見つからなかった。
王者の戦い
ハーフタイムを挟んで迎えた後半だが、修正するどころか最終ラインに対しての圧力が強まったのと、相変わらず中盤が窒息してるのもあって全く前に進めず、ボールを取ってはクリアし、また拾われるというような前半がそのまま続いているような戦いを強いられた。
50分にはクリアを最終ラインに拾われると、土居に裏を取られ、走り込んできたセルジーニョに合わせられてあわや失点のピンチを迎えるが、これは車屋が身体を張ってクリアして事なきを得た。
56分には、完全に消されていた脇坂に変えて長谷川を投入し、2列目を左から長谷川、家長、阿部の並びに変えて、中央を活性化させようとする。
するとこれが的中し、そのあとは少しずつであるが相手を押し込んでいくが、なかなかチャンスには繋がらない。
60分、家長が右のハーフスペースでフリーキックを獲得し、これをそのまま中に送るとファーサイドで山村が古巣相手に叩き込んで先制に成功する。
70分には、相手のコーナーキックを新井が前に弾き、それを阿部→守田と繋ぐと、守田から右サイドを上がっていた小林にロングフィードが通る。そのまま小林がシュートまで持ち込むも、このシュートはポストに弾かれるが長谷川がきっちり詰めて2-0とリードを広げる。
ルヴァン杯同様、苦しい中でセットプレーとカウンターからゴールを決めた。
その後は遠藤が入った相手右サイドから幾度となくゴールを脅かされるが、多少の運と新井を中心にした守備陣の踏ん張りで最後までゴールを割らせず試合終了。
タフな3連戦をしっかりと3連勝で締めくくった。
この試合のMVPは山村だろう。古巣相手の決勝弾はもちろん、守備では裏への対応は少し弱さを見せたが空中戦、地上戦ともに相手アタッカー陣に大きな自由を与えず、攻撃ではロングフィード、ビルドアップ共に大きな存在感を放った。
負けられない戦い
アウェーでの鹿島相手に無事勝利を納めたが、東京、横浜ともに勝利したためリーグ優勝はかなり絶望的になった。
それでもまだACLのチャンスはわずかに残っている。リーグ優勝も完全に潰えたわけじゃない。
次節は両レースのライバルでもある横浜を等々力で迎え討つ。消して簡単な相手ではないが、代表ウィークを挟むとは言え念願のカップ戦タイトルを手にし、この3連戦を全て勝利で乗り切った勢いそのままに、しっかりと倒していきたいところ。
絶対に奴らにだけは負けられない。順位表だけでは語れない戦いがそこにあるのだ
執念と努力と
はじめに。
お久しぶりです。いや、ほんとにめちゃくちゃ久しぶりです。半年以上放置してました。書こう書こうとは思っていたんですけども、ホームゲームのあとに試合見返す気力がなかったり、大学進学してまあ生活になれなかったり、ありがたいことに彼女ができたりとで、試合を見返してブログ書く時間を確保できなかった(というより確保しようとしなかった)ら、いつのまにかこの時期になってました。
じゃあなんでこのタイミングでってなんですけども、今回のは戦術チックなことは一旦置いて書こうってのと、さすがにタイトル取ったのでその思いを残しておきたいなぁって思ったので書かせていただきます。
ぶつかり合う執念
前日の大雨とは打って変わって、まさしくファイナルに相応しいスッキリとした秋晴れの空。
なんでお前がいるんだ。来なJのくせに。
試合前こそ上段に空きが目立ったものの、いざ試合となると両チームゴール裏はほぼ満席に。
セレモニーだのなんだのやってて、定刻ちょい遅れぐらいでキックオフ。
立ち上がりはお互いにボールがなかなか落ち着かずラフな展開が続くと、9分に福森のロングフィードからカウンターを受けると、チャナティップの折り返しにファーサイドにいた菅が合わせる。シュートはクロスバーに当たるが跳ね返りが新井の背中に当たってややアンラッキーな感じで先制を許す。
その後は川崎がボールを握る時間が次第に多くなり、多くのチャンスもつくるが枠に嫌われるなど決め手を欠く。
完全にここまでは2年前のデジャブだった。
握れど握れどなかなか点が入らない。
ゴール裏で見ててとてももどかしい展開だった。
そんな状況を打ち破ったのはやはりあの男。
前半AT、左コーナーキックを脇坂が入れると、そのボールは中央を超えてファーにいた阿部の元へ。これを冷静に押し込んで前半のうちに同点に追いつく。
さすが、国内タイトルを味わい尽くしただけあった。
旧ナビ杯から、この大会のファイナルでは一切得点が無かったチームにとって、ほんとに重要な1点だった。
同点になってスタートした後半、札幌は再び前への勢いを強め、お互い一進一退の攻防が続く。
その中で58分、59分と立て続けに脇坂にビックチャンスが訪れるが、どちらも大きく外してしまう。
ユースは余計なとこまでフロンターレに染めるのかよ。クソが
その後も大きな決定期はお互いなかなか作れず、時間が進んでいく。
すると88分、大島のフライパスに反応した小林が裏に抜け出して胸でコントロール。冷静に流し込んで逆転に成功する。
勝敗は決した。そう思われた瞬間だった。
ATを含めてもおよそ5分であろう。
ただし現実はそう甘くなかった。
ATものこりわずかのところで、相手にコーナーキックを与えてしまう。
福森の左足から放たれたボールはきれいなカーブを描くと、これを深井に叩き込まれる。
今年何度も見てきた形で、土壇場で同点に追いつかれた。
タイトルはそう甘いものではないのは重々承知だが、ここまで厳しくなくてもいいだろう。
そして迎えた延長戦。一進一退の攻防が続く中で5分、チャナティップに抜け出されるとこれをボックス手前で谷口が後ろから倒してしまう。
最初はイエローだったが、VARを介してレッドに。
妥当な判定。
このフリーキックを福森に直接決められてしまう。
残された時間は20分程度、しかも疲労が溜まる中で相手より1人少ない。
絶体絶命ではあったが、チームはあきらめず、攻め続ける。
札幌が引いてくれたこともあってか、カウンターを喰らうことはなかったが、なかなかシュートまでいけなかった。
そんなこんなで延長後半。
シュートまでは行けても、なかなかゴールを割らせてくれない。
そんな中での延長19分。
中村のコーナーキックがファーに流れると、そこにいた山村が中に蹴り返す。
そこには小林が待っており、膝で押し込んで同点に追いつく。
今年なかなかパッとしなかったエースがこの大一番でチームを救ってくれた。
その後は人数の多い札幌に押し込まれるも、なんとか凌いでこのままタイムアップ。
決着はPK戦に委ねられることになる。
ヒーローは苦労人
迎えたPK戦。
中立地開催のため、コイントスの結果、川崎側のサイドを使用することになる。
つまり、フロンターレの選手たちは目の前でサポーターの声援を受けることになる
後から思うとここが勝敗の分かれ目になったかもしれない。
そんなPK戦。
先攻、川崎の1本目は小林。彼がしっかりと沈めると、お互い3番手までは順調に決める。
迎えた4本目。
キッカーは車屋。
先輩である谷口が退場したことによる強い思いが乗りすぎたのであろうか、左足から放たれたボールは思いのほか伸びて、クロスバーを叩く。
一方、札幌の4番手のルーカスフェルナンデスはキッチリと決めて札幌がここでリードする。
後がなくなったフロンターレ。
5番手の家長は成功するも相変わらず決められたら負けには変わらない。
相手の5番手、石川のシュート。
左足から放たれたボールはかなりいいコースに飛ぶが、これを新井がセーブ!
勝負は6本目に持ち越されるが、長谷川がしっかりと沈める。
相手の6番手は進藤。やや中央よりにボールは飛んだが、これにしっかりと新井が身体を合わせて、チームの窮地を救い、優勝を手繰り寄せた。
多くのところで話題にはなっているが、新井のキャリアは素人目にしてもとても順風満帆とは言い難いものだろう。それは、同点弾を決めた小林も決して恵まれたものではないが、彼に関してはそれ以上だ。
プロになれるかどうかも怪しいラインから、ヴェルディをクビになり、トライアウトを経て川崎に加入。
その後もまとまった出場機会は2015の後半戦ぐらいと、なかなか試合に絡むことは無いものの、それでもチームを盛り上げ、滅入ることなくしっかりと鍛錬を重ねてきたことが報われた瞬間だっただろうか。
ソンリョンの衰えもあり、チーム状況も良くない中で出番を掴んだ彼は、ヒーローになったのだ。
死闘の末に叶えた悲願
120分でも決着がつかず、PK戦までもつれ込んだが、かくしてフロンターレは勝利を掴んだ。
優勝
なかなかこの2文字と無縁だったチームが、この死闘を闘い抜いて、その座を手にしたのだった。
過去4回決勝の舞台に立ったが、全て惨敗。
そんなクラブが苦しいチーム事情、試合展開を乗り越えて初めてこのカップを掲げた。
自分も6本目の新井のストップとともに叫んだ。めちゃくちゃ叫んだ。
めちゃくちゃ叫んだ後は、溢れ出てくるものを堪えるのは無理だった。
過去4度の挑戦で、涙を流し、タイトルを取れずにチームを去った選手たちも多い。
そんなチームにキャリアを捧げてくれた選手たち。
そんな時代があったからこそのタイトルだろう。
正直、今季のチームの出来は到底褒められるものではなかった。
ちょうど1ヶ月前の神戸とのホームゲーム終了後には、Gゾーンからはブーイングも出た。
そんな苦しい状況でも、彼らは僕らの誇りだった。
それでもまだまだクラブにとっては今回のタイトルは序章に過ぎないだろう。
タイトルの数も、鹿島やガンバと比べればまだまだ少ない。
これまでの3つのタイトルと同様、それらへのチャレンジはとても困難を極めるだろう。
それでも彼らならきっと大丈夫だ。
なぜならフロンターレだから。